天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…あたしはこの総司をどうにかしよう。


目覚ましてから、総司の声聞いてない…。


聞きたいよ…。


翼鬼って、呼んでほしい。


ワガママ…かな。


「総司…。翼鬼って、呼んで…?」


寂しいよ、総司が何も言ってくれないなんて。


顔すら、ろくに見てないし。


すると総司は、何もいわずにあたしから離れた。


しばらく見つめ合った。


でもまた抱きしめて…。


あたしを抱きしめた腕が、微かに震えている気がしたのは、あたしの気のせい…?


「総司…?泣いて、る…?」


総司が泣くとか有り得ないと思いつつ。


でも震えてるから…泣いてるのかなと思って、聞いてみた。


そしたら、耳元で。


「翼鬼…泣かないわけ、ないじゃん…」


と、総司の心地よい声で。


囁かれた。


じゃあ…泣いてるの?


なんで…。


「翼鬼…」


総司がまた何か言いかけたとき。