天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

『じゃあ、翼鬼、話せるようにしてよ~』


「嫌だよ…。どうせ怖がられるだけだよ」


『大丈夫って、天鬼も言ってたじゃない』


…でも…。


「あのー、翼鬼ちゃん?なんて言ってるの?」


「…それは…」


決心が、つかない。


『大丈夫』


愛…。


「分かったよ…。沖田さん…愛の声、聞けるように…する…」


「え、俺も聞けるの!?」


うれしそうに言う、沖田さん。


「でも…怖がらないで…」


怖い…嫌われるのが…。


「怖がるはずないよ。翼鬼ちゃんなら、何も怖くない」


……沖田さん…。


この人なら…ちょっとだけ、信じていいかな…?


そう思いながら、翼を出す。


「その翼…綺麗だよね。天使みたい」


…天使?


あたしは鬼だよ?


「…天使なんかじゃ…」


「え、天使でしょ。綺麗だし…」


…綺麗なんて、初めて言われた。