天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

まるで何日も、いや何ヶ月も動いてなくて、声も出していないような感じ。


変なの…。


それは天鬼も同じみたいで。


困ったような、不思議そうな顔をしている。


…どうしようか。


よし、決まり。


あたしは無理やりにでも体を起こすことにした。


そのほうが手っ取り早い。


よいしょっ…と。


右手は掴まれてる感じだから、左手を使って頑張る。


肘を立てて、力を入れようとした。


でも力は入らずに、へなへな~っと倒れてしまった。


くっそぉ。


あたしは何度か挑戦して…。


何度目の挑戦だろうか。


ようやく…


「よっし…起きれた…」


力の消耗ヤバいけど。


そして、右を見る。


…そこには、会いたかった人…。


あたしの大好きな人が、手を握っていてくれた。


手を握ったまま、寝ている。