心はいつも、荒んでいた。


愛情なんて知らない。


ただ利用され、傷つけられる毎日。


でも、みんなと出逢えて変わっていった。


変わることなどないと、そう思っていたのに。


「…あたし。信じるよ」


だって、そう決めたから。


だから…


「両親の、愛情を信じる」


たとえ偽りだったとしても。


それでもいい。


あたしには、それを埋めてくれる仲間ができたから。


「翼鬼がそう言うなら、僕も信じる」


天鬼…ありがとう。


「あなたがたなら、そう言うと思っていました」


麗がそう言った途端、麗の体は光に包まれた。


「みんなが待っています。お行きなさい」


「待って、歴史を変えた代償は!?」


もう一度神に会ったら、これを聞こうと思ってた。


「大丈夫。新たな歴史にするわ。代償なら、もうもらってあります。だから安心して…」


もうもらってある…?


朔と、優のこと…?


不安に思ったけれど。


麗の笑顔が見えたから。


あたしと天鬼は、意識を手放した…。