天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「ねぇあなた。この子たちの名前、どうする?」


「そうだなぁ…双子だろう?」


「ええ、男女の」


「だったらお前が女の子、俺が男の子を決めよう」


二人はしばらく考えていた。


…なんて、嬉しそうなのだろう。


少し先の未来…あんなことが待っているとは知らずに。


「決まったわ」


「俺もだ。じゃあ、お前から」


「…女の子の名前は『愛』」


「おっ…。男の子は『輝』だ」


「え…?」


二人は顔を見合わせて笑った。


なんで…?


そこであたしの頭を浮かんだ、一つの答え。


まさか、二人とも同じ名前を考えていた…?


ふと天鬼を見ると、驚いた顔をしていた。


「愛し合って、光輝きながら生きてほしい…」


「愛は一人では見つけられないから…二人で見つけて、それを輝かせてほしい…」


ああ…そうなのか。


あたしたちは、こんなことを望まれるはずだったのだ。


こんな素敵な名前…。