違う、痛くない。


痛かったけど、もう治った。


心にあった、深い傷。


癒えることなど、ないと思ってた傷が。


少し…軽くなった気がした。


「…過去をどれだけ悔いても、過去は変わらない…」


そんなこととっくに解ってた。


頭で解っていても、心は動かなかった。


「ずっと、あの時こうしてたらって後悔ばかりしてた」


僕が強かったら、翼鬼は助かったんだ。


もう二度と、傷つけさせない。


そう決めたのに、結局何もできなかった。


「…過去が暗いなら、その分未来を明るくしろ。…俺たちは、ずっとお前らの側にいるから」


そう言って土方さんは、僕の頭を優しくなでてくれた。


その温かいぬくもりに。


僕はどれだけ救われてきたか…。


「お前らは幸せになれるさ」


佐之さんは、肩をポンとしてくれた。


「……幸せにならなかったら、会わす顔がないのだろう?」


めったに笑わない斎藤さんが、微笑んでくれた。


「天鬼は毒舌のほうがいいぜっ」


新八さん…その笑顔、すごい眩しい。


「何があったって、友達だからな!」


平助君、君には何度も助けられた。