しぶしぶながらも、というか半ば強引に。


左手を出してもらった。


「…斬れてるじゃんか…」


手首の上が、ザクッと。


こんなんでよく大丈夫なんて嘘、つけたね?


「これくらいなんともねぇよ」


「強がりはいらない。…自分で怪我するなって言っときながら…」


自分が怪我するってどうよ。


…誰か庇ってできたんだろうけど。


土方さんが怪我するって考えにくいから。


僕はそんなことを考えながら、即怪我を癒やす。


「ほら。…あとは、いない?」


念のため聞いたけど…もういなかった。


さすがは新撰組、強いね。


「…申し訳ありませんでした…」


いきなり、村地さんが土方さんに頭を下げた。


「私がもっとしっかりしていれば、こんなことには…」


「…もういいさ、みんな無事だ。過去を悔いるなら、それ以上の未来を創れ」


村地さんも…僕も。


その言葉に目を丸くした。


そして、僕は何故か……ポロポロと、泣いてしまった。


「天鬼!?どうした、どっか痛ぇのか!?」


土方さんが焦った顔をする。