♪天鬼♪

沖田さんが蔵の中へ入っていって、少しすると。


「天鬼、無事か!?」


土方さんのその声を先頭に、みんなが駆け寄ってきた。


「僕は大丈夫。今沖田さんが中に…」


「そうか…」


沖田さんなら、大丈夫。


翼鬼を任せられる。


「みんなは?…斬った?」


「…多少はな。でも死んじゃいねぇよ」


よかった…。


じゃあ。


「怪我は?」


「ああ…………大丈夫だ」


…土方さんともあろう人が。


嘘は苦手なんだね。


「…出して」


「何を」


「左手」


僕に嘘がつけると思ってるの?


目が泳いでるんだよ。


「…ちっ…」


なんで舌打ちするんだよ。


僕のお父さんは意味不明です。