天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…少しずつでいい。そう言ってくれたよ?土方さん」


…土方さんが?


「翼鬼のことも、心配してくれてた。過去は…変えられないから」


過去は、変えられない。


そんなこと、分かってた。


どれだけ忘れようとしても、頭に張りついて離れない。


あの、恐怖。


「翼鬼ちゃん!?」


沖田さんが、部屋から出てきていた。


「どうしたの…。いないから焦った…」


本当に焦ったような顔で、言われる。


「翼鬼。少しは、信じてみなよ。もし、裏切られたら…僕がずっと一緒にいてあげる。仇討ってあげる」


…仇を討つ…って。


殺すって、こと…?


そこまでして、天鬼が…。


「ごめんなさい、沖田さん。ちょっと、話があって」


「天鬼君と一緒なら、よかったよ。…あんまり一人で行動しないでくださいね?」


「…ごめん…」


信じるか、信じないか。


「さ、部屋に戻ってください」


大丈夫か、大丈夫じゃないか。


まだ……分からない…。