天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

空が明るくなり始めたころ。


ようやく、村地さんの案内で屋敷についた。


…これはまた立派なお屋敷で。


「翼鬼さんは、奥の蔵にいます。…もう、ぼろぼろの状態でした…」


悲しそうに唇を噛み締めていう、村地さん。


もういいよ。


あなたがいい人だって…分かったから。


あとは、全て俺たちに任せて。


「きっと見張りがいると思います。…情け容赦は、いりません」


「仮にもお前の家来だろ?」


確かに、家来がいなくなるって…。


「…いいんです。あんな仕打ちをする人たちなんて…人じゃない」


…俺は、思う。


この人はいい人だ。


でも…翼鬼が望む優しさじゃない。


翼鬼は、たとえ自分を傷つける人であっても。


その人にさえ、死んでほしくないと願う。


これは、翼鬼を取り戻すための戦い。


だから…


「いや、お前の家来にできるだけ手出しはしねぇ。生かしておくさ。もし無理だったら斬るが」


土方さん…。


俺と同じことを思ってたんだ…。


なんか、俺たち…翼鬼の感情が移った?


それでいいと思う。


無闇に、人を殺しちゃいけないんだ。