天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「力、見せた」


は…?


「何言って…」


「と言っても、翼を出すだけ。怪我を…癒やすことも…」


なんで…。


「…翼鬼。僕たち、土方さんと沖田さんに、翼出すのは見られたでしょう?それに…翼鬼の、治癒力も」


…見られた。


あれは…誤算だった。


「それなのに、優しくしてくれてるじゃん。…だったら、信じてもいいんじゃない?」


「なんで…わかったようなこと言うんだよ…」


いつもいつも、天鬼は。


あたしの前を行く。


…行ってくれる。


あたしが、道に迷わないように。


「俺…だってっ、信じたい…!信じたいよ!?でもっ…でも…」


また、裏切られたら?


また、悪夢が始まったら?


「…怖いんだよ…。いい人だって…思い始めてる…。でも、痣を見られたら?力を見られたら?…変わるに決まってる…」


また、鬼だって言われる。


化け物だって。


そんなの…信じた人に、言われたくない。