沖田さんは、間もなく寝てしまった。


きっと、疲れているのだろう。


なんたって…壬生浪士組だ。


気を張りっぱなしなのかな。


あたしはそっと部屋を出た。


「…天鬼…」


外には、天鬼がいた。


「ちょっと、話そうか」


あたしは何も言わず、天鬼の側にいく。


「…翼鬼は、どう思う?ここの人たちのこと」


どうって…。


「まだ、信用できない…」


「僕は、信じるけどね」


その一言が、ありえないと思った。


「なんで、そんなに簡単に信じられるの?どれだけ傷つけられてきたと思ってんだよ!?」


そうだ。


人間は、異形を嫌う。


「今はまだ力を見せてなくて…優しくしてくれててもっ…いつか…」


きっと、裏切られる。


今まで、ずっとそうだった。


だから、いつも住居を転々として。


人の目から離れてきた。


天鬼以外の人を、信じられない。