天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

その日の、夜遅く。


「総司、起きてるか?」


「土方さん…?起きてますけど」


こんな時間に、なんだろう。


不思議に思いながら、部屋を出て副長室へ向かう。


その途中。


「…翼鬼を連れ去った奴らの、主が来た」


「!?…なんで…」


意味が分からない。


翼鬼を連れ去った奴らの主が、どうしてここに?


「…みんな、いるんですか?」


「幹部は起こした」


そう言って土方さんは、部屋に入る。


俺も後から続いて…部屋にいる人を見て、驚いた。


絶対に翼鬼よりも年下であろう男の子が、汚れた着物を着ていたから。


「…お初お目にかかります。私の名は村地虎太郎です」


堂々と、でもどこか控えめに名乗る。


「この度は、私の家の者が大変な迷惑をおかけして…本当に、申し訳ありません」


村地君は、そのまま手をついて頭を下げた。


「…許してもらおうなんて思いません。ただ、翼鬼さんが待っています。どうか、早く行ってあげてください」


頭を下げたまま…許しをこうわけでもなく、俺たちに早く行けという。


…なんなんだ、この人は。