そう言って、あたしは沖田さんが寝ている布団にもぐり込む。


「…ねぇ翼鬼ちゃん。未来って…どんなところ?」


「……平和。争ってるところもある…けど、日本は平和」


一般的には。


「未来には、どんな甘味がありますか?」


甘味…おかし?


「いろいろ…。あめ玉とか…ドーナツとか…饅頭とか」


「未来にはいろんな甘味があるんですね~。いいですね」


…いいのか?


にしても、沖田さんって、本当に甘党なんだ…。


「……翼鬼ちゃん。無理にとは言わない。けど…いつか、話してほしい」


あたしの過去のことだろう。


…言える日が、来るだろうか。


いつか…あんな、不幸の塊みたいな過去を…。


「……いつか…で、いいです。誰も、あなたを傷つけたりしませんから」


「………ん…」


まだ…信用はできない。


でも、心は。


あたし自身気づかないところで。


微かに、動き始めていた…。