天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

腑に落ちないように、でも断れないのか、頷く。


「で」


で、じゃねぇよ。


なんなんだ、お前は。


「なんでここにいるかは分かったけど…。私別に天鬼とかいう人を連れ去れ、なんて命令、してないよ?」


はい、でしょうね。


そうでしょうねぇ、どうせ。


あんたの話聞いてたら大体分かるわ。


「…それはもうどうでもいい。どうせ家来があんたのためを思って、勝手にやったんだろ」


そんなことより、交渉だ。


「俺のことは好きにしろ。利用すんならすればいい。けど…」


「けど?条件は?」


「…新撰組には、手を出すな」


あたしが望むのは、それだけ。


「…あなたにも新撰組にも、手を出す気はないけど。ほら、新撰組の人を呼んできてあげるよ」


「余計なお世話だ。そんなことすれば、あんたが殺されるぞ」


「どうして?」


どうしてって…。


うん、やっぱこいつはバカだ。


佐之さん以上のバカだね。


自分でそう思っておいて、笑える。


「あ、やっと笑った」


「…?」


「あなた、笑ったほうがいいよ」


にこっと、微笑まれる。