天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…あたしの思ってることは、すべて矛盾だ。


愛してほしいと願い、愛してほしくないと思う。


生きたいと願い、生きたくないと思う。


『翼鬼、みんなに出逢えて…嬉しくなかった?生きたいと、思えなかった?』


…そんなの…決まってる。


「生きたいよ…」


昔はこんなゴミのような命、いらなかった。


生きる意味さえなく、ただ弟を…天鬼を守りたい、それだけの感情で生きてきた。


天鬼がいなければ、死んでた。


天鬼が痛めつけられるのが、とてつもなく嫌だったから。


だから、生きていた。


希望なんてどこにもない。


辺りを見回しても、広がるのは闇ばかり。


でも、今は…


「生きたいよ!みんなに、何も返せてない!」


あんなに良くしてくれたみんなに、何もしてあげれてない。


死んでしまったら、もう愛されない。


生まれ変わったとしても、もう二度と。


…あんなにあたしを愛してくれる人なんて…きっといない。