天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

♠翼鬼♠

目が覚めたら、手が縄で結ばれていた。


ここは…どこなのだろう。


『気がついた?』


いきなり響いた声にビクッとなる。


『あたしよ』


ああ…。


「愛…。なんで、ここに?」


『みんなが心配してるから、あたしだけでも翼鬼の側にいてあげれたらなって』


そっか…。


正直、愛がいてくれて助かった。


一人だったら…すごく怖かったから。


…幼いころを、思い出してしまう。


鎖につながれて、逃げられなくて。


容赦なく、叩きのめされる。


「…っ…」


ああ、そうか。


またあの悪夢が、始まってしまったんだ。


後悔はしてない。


だって、天鬼を守れたから。


でも、怖い。


恐怖が甦る。


…しっかりしろ。


新撰組のみんなに、手出しはさせない。


潰させなんて、絶対にしない。