天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

人数は、けっこういると思う。


対してこっちは幹部と天鬼とあたしのみ。


他の隊士たちは先に帰った。


「…天鬼とかいうやつを、渡してもらおうか」


!?天鬼が目的なのかっ!?


「何故だ?」


「そんなこと、関係ない」


しばらく、睨み合いが続いた。


口をきいたのは、土方さんだった。


「もちろん、断るさ」


「お前らに拒否権はないんだよ。じゃねぇと…死ぬぞ?」


「お前らなんか殺されるかっての!」


佐之さんが強気な発言をする。


相手は何者かわからない。


でも…仮にも新撰組幹部の人間が、そう簡単に殺られるわけがない。


みんなの強さは、よく知ってる。


「…かかれ」


相手のリーダーらしき人が、命を下す。


一斉に、かかってきた。


みんなも刀を抜く。


「人数的に、どちらが不利か…分からないほど馬鹿じゃありませんよね…鬼の副長さん?」


「しゃべってる暇なんてあんのかよ?」


確かに、人数的にはこちらが不利。


だけど、力は勝ってる。


確実に。