天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「あー、飲んだ、食った!」


島原からの帰り道。


「うるさいよ、佐之さん。今夜だからね?分かってるの?」


天鬼が毒づく。


「わーってるよ!」


…佐之さん、いい大人が頬膨らませても可愛くないって。


イケメンが台無しだよ?


あたしはクスクス笑いながら、総司と一番後ろを歩いてた。


「翼鬼、大丈夫ですか?夜ですけど」


「総司がいるから平気~」


信頼できる人が側にいてくれたら、怖くないんだ。


みんなもいるし。


それにしても。


「眠い…」


いつまで飲んでるんだよ、ってまで飲んでたからね。


あたしは飲んでないよ?


佐之さんとか新八さんとか…が飲んでただけだし。


ああ~、早く寝たい。


そんな呑気に思っていたとき。


「…誰だ、お前ら!」


一番前にいた土方さんの声がした。


慌てて走っていくと…


まるであたしたちを待ち伏せしていたかのように…刀を構えている人たちがいた。