天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

ちらっと総司を見ると…目があった。


慌ててそらす。


「別に妬きませんよ。姉弟じゃないですか」


…なんだ。


そうだよね、天鬼だもん。


総司だもん。


妬いてなんか、くれないよね…。


「…なーにしょんぼりしてるんですか」


「別にしょんぼりなんかっ…」


してない。


そう言おうとしたけど…今のあたしは否定すらできない。


だって、しょんぼりしてるのはホントだもん。


ちょっとくらい、妬いてほしかったなぁ。


「…嘘ですよ」


「何が?」


主語がなくて分からなかったから、素直に聞いた。


「…妬きますって。たとえ天鬼君相手でも」


「ッッ…///」


耳元で囁かれて、真っ赤になってしまった。


「あれ?もしかして…耳、弱いんだ?」


「…別にっ」


弱いってことを隠したくて、そっぽを向く。


「……後で、覚えてな?」


ニヤッという笑み付きで、総司に囁かれる。


あたしが真っ赤になったのは、言うまでもない。