天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

なんだよ、みんなしてあたしをからかって…。


そんなにあたしをからかうの、おもしろいか?


全然おもしろくないと思うのだが…。


「…で、食べないんですか?」


「総司が食べさせようとするからじゃんか!俺は普通に食べるっ」


「ちぇー。…というか、もう俺っていうのやめましょう」


諦めてくれたと思ったら…今度はなんだ。


「クセなんだ。仕方ないだろ」


だいたい、あたしがしゃべるときにあたしって…おかしいだろ。


吐き気するわ。


「翼鬼は女の子でしょう?みんなそれを認めてここに置いているんです。…男の真似事をする必要は…」


「分かってるよ。でも真似事なんかじゃない。…俺は、男に産まれたかった」


女に産まれたから、あんな目にあった。


女に産まれたから、強くなれない。


甘えてしまう。


「…なんで、そんなこと言うんですか。翼鬼が女の子じゃなかったら、俺たちは結ばれなかったんですよ?」


「そりゃあ…そうだけど」


「翼鬼は俺と結ばれなくてもよかったんですか?」


「それはやだっ!絶対嫌っ!!」


言ってしまってから、気づいた。


さっきまで真剣な顔だった総司が、ニヤニヤしてるのに。


……しまった。


ちょっとでも気を抜くと、これだ。