天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

もう泣きそう。


…泣く?


泣いたら見逃してくれるんじゃ…!


そして、演技開始。


「…やだよぉ」


「何が?ていうか、泣き真似なんてしたって駄目だからね」


うっ…。


やはり、総司はあたしよりも一枚も二枚も上手でした…。


「…どうしたら許してくれる」


「好きって言ってくれたら♪」


♪出してんじゃねーよ!!


「…やだ」


「じゃあ人前だけど、抱きつくよ?」


「う゛っ…」


なんでそうもあたしをからかいたいんだよぉ!


「好きだから?可愛いから?」


「…総司のバカァァ!!」


なんで恥ずかしげもなくそんなことを…!


「で、言ってくれないの?」


「…………好きだよ。俺だって…総司以外の人を好きになるなんて、ありえない…んだからな!」


あぁ~、穴があったら入りたい。


絶対顔真っ赤だもん…。


あたしは人前とかいうことを忘れて、とにかく顔を隠したくて…総司に抱きついてしまった。