天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

裏切らない。


信じてる、信じたい。


「当たり前ですよ。なんで俺が…俺たちが翼鬼を裏切るんですか」


少し呆れた感じで、総司は言う。


「…もし、俺が足手まといになるときがあったら…迷わず捨ててね」


「…何を、言うんですか。捨てるはずないでしょう。翼鬼、あんまり自分を大切にしないと怒りますよ」


だってさ…もう十分、夢は見た。


これは現実。


分かってるよ?


だけど…なんでかな。


この夢が終わって、また…悪夢が始まる。


そんな気が、しなくもなくもないんだ。


あたしはこの幸せに…浸りすぎていたのかもしれない。


「翼鬼、好きだよ」


「!?いきなり何言い出すんだよ!」


「好き、好き。ずっと翼鬼だけが好き」


「////酔ってんの!?」


なんか総司がおかしいっ!


「酔ってなんかない。ただ、言っていないと翼鬼はどこかに行ってしまいそうな気がする」


…だからって、恥ずかしすぎるんですが。


「言われるこっちの身にもなってみろやぁ!」


「じゃあ、言って?」


………………ごめんなさい、墓穴ほりました。


完敗です。


降参します。


「だから見逃してくださいぃぃぃ!!!」


「だーめ」


絶対楽しんでるよ、この人!