天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「翼鬼と天鬼の怪我も治ったことだし!島原で宴会でもしようぜ!!」


この一言で、全ては始まった。


否、始まってしまった。


「ああ、いいんじゃないか?」


「近藤さんが言うなら…仕方ねえな」


ってな感じで局長は賛成、副長も賛成。


というわけで、島原。


「おっしゃー!飲もうぜ!」


…佐之さーん、あたしが一人女だって分かってますか?


あたしはこんなとこ来ても楽しくないんですが。


「ほんっと、何考えてんだか…」


「本当ですね~。翼鬼のためでもあったのに」


…まぁ、あたしの近くには総司がいるから…いいって言えばいいんだけど。


「ね、そういえば…天鬼とお千代さんが恋仲になったって知ってる?」


「知ってますよ~。頑張りましたよね、天鬼君」


ほんと、よく頑張った、弟よ!


にしても…本当にお嫁の話が出てくるとはなぁ。


「安心してくださいね、翼鬼。俺は翼鬼を離すつもりなんてありませんから」


「なんで、今!?ていうか……」


この先は恥ずかしくて言えない。


「ていうか…なんです?」


…言うんじゃなかった。


総司がドSってこと忘れてた。


現に…楽しそうな顔してるもん。


こうなった総司を説得させるよりも、言ってしまったほうが早い。


そんなことは分かり切ってるから。


「…信じてるもん。総司は俺を裏切らないって」