天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…そっか……おめでとう、だね…」


嘘。


こんなことが言いたいんじゃない。


「…私は、嫌や。両親が勝手に決めたんどす。お嫁になんて、行きとうない…」


僕も、行ってほしくなんかないよ…。


でも…お嫁に行ったほうが、きっと幸せになれるよ。


「いつ…?」


「もうすぐ。…ほんとはなぁ、もっと早ように伝えるつもりやった。両親から、条件をもらったから」


…条件?


「十日以内に好きな人と一緒になれたら…結婚は取り消しっていうな」


そう言って、お千代ちゃんは切なそうに微笑んだ。


「…だったら、告白すれば…」


お千代ちゃんが好きな人は、僕じゃないんだから…。


「しようと思うた。でも、悩んで悩んで…もう時間や」


「時間?」


「……今日で、約束の十日目」


…今日で、最後…?


「今までありがとうなぁ。私なんかに、ようしてくれはって」


笑顔のお千代ちゃんは、どこまでもまっさらで。


「嫁ぎ先は、ちょっと遠いんどすけど、また遊びにきてくださいね」


これで、もう会うことはないの?


「お千代ちゃんはそれでいいの…?」


…何を、聞いてるんだよ。


「…いい?……もちろんどす」


嘘つき。


だったら、なんでそんなに…


「泣いてるのさ…」