天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

♪天鬼♪

まさかお千代ちゃんがいるなんて…。


こんな傷だらけの僕を、見られたくない。


…女々しくて、ごめん。


嫌われたくないし、怖い思いをさせたくない。


だから逃げた。


でもお千代ちゃんは僕なんかを追いかけてきて。


「天鬼はんっ!待ってください!」


…一緒にいたい。


だけどいたくない、いられない。


僕は逃げるしかなかった。


「…あっ…」


お千代ちゃんの声がしなくなって、その後にズタッという音。


びっくりして振り返ると…お千代ちゃんがこけていた。


「お千代ちゃん!?」


僕は慌てて駆け寄って抱き起こす。


「大丈夫!?」


「いったぁ…大丈夫どす」


そんなわけない。


だって涙目だ。


「着物なんかで走るから…。ごめんね、血出ちゃってる…」


申し訳なさすぎて、謝るしかできない。


「…治そうか」


僕は翼を出して、羽を抜く。


「この者の傷を、癒せ」