「…どうしたのだ、そんな浮かない顔をして」


「あ…一君…」　


いきなり出てこないでよ、びっくりするじゃん。


「俺…そんな浮かない顔してました？」


「ああ、ひどいものだったぞ。何故かは…察しがつくが」


さすが一君。


人の考えてること、すぐ分かるんだね。


「…翼鬼…どうしてる？」


率直にそう尋ねると、一君は面食らったような顔をした。


そして言いづらそうに口を開く。


「…命に別状はない」


「そっか…。よかった…」


とりあえず、無事でよかったよ。


ちょっと安心したところで、もう一つの疑問が。


「なんで、土方さんは翼鬼に会わせてくれないの？」


するとまた一君は渋い表情をする。


そんなに言いにくいのかな…。


やっぱり、いい。


そう言おうとしたとき。


「あ…副長」


え…？


土方さん？


俺は内心驚きながら、後ろを振り返る。


「総司…俺が話してやるから、斎藤に詰め寄るのはよせ」


「別に、詰め寄ってなんかいませんけど」


俺は多少向きになりながら応える。