♢総司♢

池田屋の夜から、3日が経った。


俺は未だ、翼鬼と会っていない。


熱はすっかり良くなった。


もう稽古だってできる。


…翼鬼…会いたいよ。


俺たち、同じ屋根の下にいるんだよね?


なのに会えないって…どういうこと?


まさか、大怪我でもしたの?


俺は心配で…土方さんにも近藤さんにも訳を聞いた。


それでも二人ともはぐらかすだけで、何も教えてくれない。


なんで…?


「…翼鬼…大丈夫なの…?」


幾度目か分からない言葉、誰も答えてくれない言葉をただただ紡ぐ。


会いたいよ。


もしも怪我してるなら、今度は俺が看病でもなんでもしてあげるよ。


だから…


「土方さん…翼鬼に、会わせてください…」


どうせ、誰にも聞かれちゃいないんだ。


この想いが、届くはずなんてないんだ。


だから、俺がこんなことを言おうが関係ない。


だけど、やっぱり。


会いたいものは会いたいんだよ。


翼鬼がいないと、不安なんだよ…。