天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

*土方*

翼鬼を傷つけられてからの、天鬼の纏う雰囲気はあきらかにさっきまでと違っていた。


冷たくて、凍てついた氷のよう…。


「おい、天鬼!」


さすがにこのままだと危険だと思い、天鬼に声をかけた。


だが…


「何?僕ねぇ、今すっごくイライラしてるんだ。土方さんでも、八つ当たりしちゃいそう」


いつもの黒い笑顔すらない。


ただ殺気だけが溢れている、天鬼の表情。


…顔なんて見なくても分かる。


あいつは……本気だ。


本気で敵を殺そうとしている。


駄目だ、そんなこと。


しちゃなんねえ。


それでも、俺に天鬼を止める術なんてない。


今の天鬼を止めることができる奴なんか…この世で一人しかいねえ。


「…翼鬼…」


お前しかいねえんだよ。


なあ、天鬼に人を殺させたくねぇんだろ?


天鬼を守りたいんだろ?


だったら…もう少し、正気を保ってくんねえか…?


っつっても、翼鬼にゃ酷な話だ。


だったら…誰が止められる?


俺しか…もういねぇよな。