天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…池田屋についた。


今は夜だから、翼鬼を一人にしちゃいけない。


常に、そばにいなくちゃ。


「土方さん。……………………………」


翼鬼が土方さんと話してる。


土方さんは一瞬驚いた顔をしたけど…分かったと頷いて、翼鬼の頭を撫でた。


…親子みたい…。


土方さんっていつもはしかめっ面で、無愛想だけど…優しい。


…土方さんがお父さんだったら、嬉しかったな。


そうだったら、きっと……翼鬼もあんなに苦しむことはなかったんだ。


「…よし、時間だ」


「うむ。皆の者、行くぞ!」


近藤さんが、池田屋に入っていく。


「新撰組だ!ご用改めであるっ!」


「なんだと!?」


「新撰組!?」


中にいた浪士たちが、慌て始めた。


新撰組隊士は容赦なく、相手を打ちのめしてく。


その中でも一番早く突っ込んでいったのは…やっぱり平助君だった。


「うらぁっ!!」


…さすがに隊長なだけある。


敵を圧倒してる。


「へっ、どんなもんだ!」


「平助君、後ろっ!!」


翼鬼の叫びが聞こえて、平助君が振り返ったとき…


━━ザシュッ…。