「ひっじかったさーん!」


「天鬼ぃっ!!おめぇは普通に入れ!いちいち音を立てるんじゃねぇっ!」


おーおー、また懲りもせず…。


よくやるよなぁ。


「んで、用は何」


「ん…ああ、総司は大丈夫か?」


……やっぱりちゃんと心配してた。


「熱はあるけど、大丈夫だよ」


あたしはさっきと変わらないセリフで答える。


「そうか。……ありがとな」


土方さんが珍しく微笑んで言った。


「めっずらし~!土方さんが笑ってる!」


あ、ダメだよ天鬼!


レアなのに、怒らせたら。


「…天鬼ぃ…俺を怒らせてぇのか、そうだよな?」


プルプルと肩を震わせる、土方さん。


と、ちょうどそこへ運悪く。


「土方さーん。ちょっと話が…」


「あっ、佐之さーん!良いところに♪」


…天鬼は逃げた。


よって、あたしも逃げた。


「え、二人してどうし…た…?」


その後は、屯所内に佐之さんの叫び声が響き渡りましたとさ…。


…毎回思うけどさ。


佐之さんって……哀れだよね。