総司を失うなんて、考えられない。


耐えてくれて…ほんとによかった。


まあ、まだ熱で苦しんでるんだけど。


「翼鬼~。土方さんが呼んでる…………ごめん、邪魔したね」


「天鬼っ!何もない!何もないから!」


絶対誤解されたぁ!


「大丈夫、土方さんにはうまく言っとく「言っとかなくていい!誤解だから!」」


全く…これもそれも総司がいきなり布団に引っ張るのが悪いんだ!


「じゃあ、ちゃんと寝てるんだよ」


「ええ~。…はーい…」


総司は渋々あたしを離してくれた。


そのままあたしは天鬼と一緒に、副長室へ向かった。


その途中。


「天鬼、翼鬼」


後ろから声をかけられて…振り向いた先にいたのは…


「斎藤さん?」


「どうかした?」


斎藤さんが声をかけるなんて、珍しい。


「…総司は大丈夫か?」


ああ…心配してるんだね。


「熱は続いてるけど、命に別状はないよ」


「そうか…。…頼んだぞ」


「うん」


幾分ほっとしたように、斎藤さんは巡察へ出かけていった。