天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「翼鬼っ!!」


ガリッと、指を噛まれる。


痛い…。


でも、こんな痛みより…総司のほうが痛いはずだ。


「…総司。大丈夫だよ…」


「うぁっ……ぎりっ…」


痛い…痛い…。


「もう、治るからね…。安心して?」


総司は我を忘れたように、ただ痛みに耐えている。


あたしの声も…きっと届いていないだろう。


それでも…あたしは総司に呼びかけるのをやめなかった。


「総司…あと少しだよ」


「翼鬼!もうやめて!僕がなんとかするからっ…」


天鬼が焦った声を出す。


「総司…総司…。痛いよね…苦しいよね…?」


もう少し…。


「総司の痛み…もらってあげられなくて、ごめんね…」


なんで、この時に痛みをもらってあげることは出来ないんだろう。


結局…あたしは無力だね。


…総司の体が、大きく傾いた。


そのまま…あたしに体重がかかってくる。


「…つば、き…。…………………………」


え…?


総司はあたしの耳元で呟いて…そのまま、意識を手放した…。