天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…あ、証拠でしたね、土方さん」


「土方さん?…じゃあ…」


翼鬼君は、そう言って近藤さんを見る。


「近藤勇に…沖田総司?」


「そうですよ~。にしても、なんで知ってるんですかね?」


本当に、未来からきたのだろうか。


「今のじゃ、証拠になりません?」


「…もうちょっと…」


ん~、とまた考えこんでしまった、天鬼君。


「あ!」


思いついたように、翼鬼君に耳打ちした。


そして、土方さんを見てニヤッと笑う。


「豊玉…」


「は?」


翼鬼君が…豊玉って言った?


「梅の花 一輪咲いても 梅は梅」


ぷっ…これ…。


「あっははは!やるね~天鬼君、翼鬼君!」


土方さんは…真っ赤になってる。


「…さすがだよね、土方さん?ちなみに、これ、僕たちの時代じゃあけっこう有名だよ?」


また天鬼君は、黒い笑みを浮かべる。


「あ~、下手ってことで有名なんだけど。僕、昔の人ってみんな俳句得意だと思ってたんだけど…豊玉さんは違ったみたいだね?」


「…てめぇら…!殺してほしいかぁ!?」


土方さんは、冗談で言っただけなのに。