天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…朝。


あたしはいつも通り、総司の腕の中で目覚めた。


…このクセは直せそうにない。


「総司、起きろ」


「うぅー………」


揺さぶってみるものの、総司は起きない。


「総司、総司」


「んん~…なんですかぁ」


おっ、起きたか?


「朝だよ。今日、治してあげるから」


労咳を。


「…うぅ…ああ、そうですか…。おねがいしま…す…」


…また寝てしまった…。


疲れてんのかな。


いや、でも起こさないと…ご飯がなくなる。


あの三馬鹿に食べられてしまう。


「総司っ!ご飯なくなるから、早く!」


あたしは若干の危機感を覚えながら、総司を揺さぶる。


でも。


その手を逆手にとられて…総司に抱きしめられてしまった。


「…翼鬼…。…好き……」 


「そっ、総司!?」


「…おはよう」


焦るあたしをよそに、総司はニヤッと笑ってそう言った。


……………完璧はめられたよね、これ。


「……起きてたんならさっさと起きんかぁぁぁ!!!」


「ちょっ、翼鬼!耳元で叫ばないでくださいよ!」


うるさいわぁぁぁ!!