天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

ぜぇぜぇと息を整えていたら…何故か総司に、いわゆるお姫様抱っこというものをされた。


「一君、後頼みますね~」


「そっ、総司!?」


焦るあたしの問いかけにも答えず、さっさと稽古場を後にしてしまった…。


…斎藤さん、ごめん!


あたしは心の中で斎藤さんに謝りながら、総司にされるがままになっていた。


「…総司?どうしたの、下ろしてよ」


「え、疲れてるんでしょ?」


いや、疲れてるけど…。


だからってこんな体勢…!


「誰かに会ったらどーすんだよ!」


「いいじゃないですか、別に」


あんたはよくても、あたしが良くないんだ!!


「恥ずかしいじゃん!」


「…そうですか?俺は逆に嬉しいですけど」


嬉しい…?


頭大丈夫!?


「総司に羞恥心はないのか!?」


「え、だって見せつけれるじゃないですか。翼鬼は俺のものだって」


「………///」


なんでそんな恥ずかしいことをサラッと!!




結局総司は離してくれなかった…。