天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

あたしはしばらく、総司をガン見してた。


すると、そこはやはり一番隊隊長とでもいうべきか。


「あれ、どうしたんですか、翼鬼」


…気づくもんなんだね。


あたしはひそかに尊敬?した。


「いや、ちょっと用事があったんだけど…まあいいや、稽古中なら」


「そうですか?なら、試合しましょう!」


総司はにっこりと微笑んで…言った。


……何を言ってるんだ、この男は。


あたしと試合?


そんなもん、負けるに決まってるだろうが。


もちろんあたしが。


「全力で拒否する」


「えぇー、なんでですか!いいじゃないですか、今まで一度もやってないんですよ!」


「だからといって、なんでやらなきゃなんないんだ!断固拒否だっ!」


「…翼鬼の意地悪…」


そんな顔されてもっ…!!


嫌なもんは嫌なんだよ!


…それでも総司はしゅんっとした表情を続けて。


その表情に弱いあたしは、結局…


「あーもー!!分かったよ!やればいいんだろ!」


「本当ですかっ!じゃあやりましょう!」


ぱあっと、総司の顔が輝いた。


…なんかうまく乗せられた気がするのはあたしだけだろうか…。