天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「翼鬼のあんなとこ、見ていいのは俺だけですよ?」


いやいやいやぁぁ!!


あなたにもできれば見られたくないけどね!?


あんな酔って…変なことしでかすあたしを。


『…でも、飲んだほうがいいんじゃないかしら?』


「なんで愛までぇ!?」


いきなり言ってきて、ビックリしたよ!?


「いいから、飲めっつってんだよ!俺の命令が聞けねぇのか」


「いくら土方さんだからって!副長だからって!無理なもんは無理っ!!」


「はぁ…。…斎藤」


へ?


なんでそこで斎藤さんを呼ぶ?


「う…副長のご命令とあれば…」


斎藤さんは苦いものを含んだような声で、唸った。


そして…


「……翼鬼、許せ」


「…は!?」


あたしを、羽交い締めにした。


「離せっ!俺は飲まない!飲みたくない!!」


そんな抵抗、男の力に勝てるわけなく…。


「嫌なら別に口移しでもいいんだぜ?」


ニヤッと笑って言う土方さんに、あたしは一瞬動きを止めてしまった。


それを良いことに、容赦なくお酒を唇に持っていかされ…


「んんっ━━!?」


流し込まれてしまった…。


それからは当然のごとく、記憶にない。