天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「……なら、素直にそう言えよ。んな思いさせてまで行かせねえよ」


土方さんは呆れたようにため息をついた。


「お前は馬鹿なのか、翼鬼?俺頼れっつったよな?なんで頼ろうとしねぇ。なんで一人で溜め込もうとする」


…なんで、そんな質問するの?


あたしは強くなりたいから。


みんなに迷惑かけたくないから。


だから…必死で頑張った……つもりだったのに。


「意味、なくなるだろうが…」


「何が」


「……今まで、頑張ってきたつもりだった。でも今みたいに…重要なことは何一つ聞き出せなかった。…何にも役に立ってねぇじゃねぇか…」


悔しい。


何もできない自分が。


「……お前、本気でんなこと思ってんのか?」


当たり前だよ。


役に立てない。


それならもう、お荷物だろ?


「全く、本当に馬鹿だな、お前。誰が役に立ってないって言った。お前が勝手に思いこんでるだけだろ」


「でもっ…」


それでも…。


「……おい、総司。ちょっと強い酒持って来い」


土方さんがいきなり、総司に命令した。


「は?なんでですか、こんなときに」


「いいから、早くしろ」


「…はぁーい」


総司は意味不明と言った顔をしながら、部屋を出て行った…。