天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

みんなは一斉にあたしを見た。


その表情は……めっちゃ驚いてた。


…そんなに驚くか?


「それは駄目ですっ!」


総司が叫ぶ。


「は?なんでだよ」


みんなの為になるならそれでいいだろ?


「翼鬼がまたあんな目に遭ったら…どう責任とればいいんですかっ」


「あんな目って…何があったんだよ?」


原田さんがつっこむ。


「翼鬼、怖い目に遭ったんですよ!?男に襲われそうになって、挙げ句の果てに……気味が悪いなんて…」


「……は?気味が悪い?…ちょっと殺してくるね♪」


「いやいやいや、天鬼!?俺大丈夫だから!そんな可愛い笑顔で言わないで!?しかも♪つけちゃダメでしょ!」


あたしは急いでつっこんだ。


…天鬼がああいう顔するときは、基本危ない。


あたしのためにしようとしてくれてることは分かってるんだけど…。


でもやっぱり、天鬼に人殺しなんてしてほしくない。


「…翼鬼」


土方さんが重い口調であたしを呼んだ。


「もう一度島原に行け……って言ったら、正直どうだ」


正直…に…どうだって…。


「そりゃあ行きたくはないけど…。みんなのためだったら、別に平気だよ?」