♠翼鬼♠

あたしと沖田さんは、そのまま一緒に屯所へ帰った。


帰ったら…


「誰ぇぇ!?総司の恋仲!?」


…バカで学習能力のない原田さんがそう叫んだ。


その叫び声で…いろんな人が出てきた。


「え、何?総司の恋仲!?」


「お前いつの間にこんな美人と…」


…やっぱり三馬鹿は馬鹿なんだな。


「…そうですよ?」


沖田さんも悪ノリしなくていいからっ!


「だから、とらないでくださいね?…と言っても、渡す気なんてさらさらありませんが」


沖田さんはわざとらしくあたしの肩を抱いて、挑戦的な態度でそう言った。


「総司に、恋仲…」


「なんか明日雨でも降りそう」


何、そんなに意外なの?


まあ女遊びはしないって言ってたけど。


てか、いつになったらあたしって気づくんだ?


と、そこへ天鬼がやってきた。


「あ、お帰り。……へぇ、おめでとう」


…さすがはあたしの弟。


一瞬で全てを見抜いたらしい。


「?天鬼、おめでとうって何がだ?」


「は、気づいてないの?佐之さんの馬鹿さもここまでくると天国逝きだね」


天鬼は呆れている。


いや、あたしだって呆れるけどさ。


そんな…毒吐かなくても?