「……うう…そんな顔されても……」


え、どんな顔してた?


変顔…してたとか?


「沖田さんのその顔…ずるい」


……いや、俺からしてみれば翼鬼のいろんな顔がずるいけどね?


いちいち可愛いから…ほんとに困る。


今だって。


涙目で上目遣いで…。


遊女姿だから、化粧もしてる。


全部まとめて、可愛すぎる。


はぁ…両想いなら、ほんとに他の男に見せたくなかった…。


「…翼鬼、そんな顔俺以外の前でしないでね?」


「……へ?」


翼鬼は意味が理解できてないようで、小首を傾げた。


…可愛い…。


俺が一人見とれてると…翼鬼がいきなり俺の着物を引っ張った。


「ん?何?」


そのまま翼鬼は俺の耳に唇を寄せて…


「…あたしも、沖田さんが…すき///」


そう、言ったんだ。


翼鬼は耳まで真っ赤になって、俺の胸に顔をうずめた。


……………………………なんなの、この可愛すぎる生き物。


俺を心臓発作で殺したいのか…?


「…それ反則…」


俺は赤くなった顔を片手で隠しながら、もう片方の手で翼鬼を抱きしめる。