天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「…ごめん、翼鬼。怖かったよね、こんなことして…」


「沖田さんなら怖くない!嫌がることしないって…分かってるから」


沖田さんはあたしを起こして…そのまま一人うなだれていた。


「…本当に、それだけ?」


「………気味が悪いんだって」


「…は?」


聞き返す沖田さんの声色が、少し変わったように思えた。


「あたしの、痣…。化粧だって誤魔化そうとしたのに…そしたら、おとしてやるってこすられて…」


「それで?」


やっぱり低くなった声で、聞かれる。


「……鬼の子だって。…気味悪いって…言われた」


「……………殺そうかな、そいつ」


…今、なんておっしゃいました?


「ねぇ、殺してきていいよね、翼鬼?」


「だっ、ダメだよ!そんな笑顔で言わないで、冗談に聞こえないから!」


「冗談なんかじゃないよ。…許せない…今すぐ殺したい…」


「沖田さんっ!」


危険だよ、この人!


「翼鬼なら、殺してほしくないって言うと思ってた。だから、今回は翼鬼に免じて許してあげる」


相手も知らないのにそう言う沖田さん…。


あなた、敵にしたくない人ですね。


敵だったら…ガチで怖い。