天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

そういうのも、だんだん薄れてきてしまっているのかもしれない。


「言ってくださいよ。…甘えちゃだめ、とか思ってるんでしょ、どうせ」


「……なんで、分かるのかなぁ?」


必死で自分を保ってたのに。


沖田さんの一言で…そんな努力は全てムダになる。


「翼鬼はいつもそうです。頑張りすぎなんですよ。…なんで、頼ってくれないんですか」


ちょっと怒ったように言われた。


「…頼れないほど、俺たちは弱いですか…?」


「そんなことないっ!!…そんなこと、ない。でも…」


こればかりは、あたしの問題だから。


みんなを巻き込みたくない。


あたしのせいで、みんなが鬼だと思われるのなんて…耐えられない。


「翼鬼。頼って、いいんだよ?どんなことでも…自分一人の問題だと思わないで?仲間じゃないの?」


沖田さんはそう言って、あたしの頭をなでてくれた。


…仲間、だからこそ。


辛い思いをしてほしくない。


だけど…そうは思っても。


心のどこかで、甘えたいと思っている自分もいるんだ…。


「…何された?言ってごらん」


優しく聞いてくれる。


でも、また穢れたみたいなこと…言いたくない。


あたしがずっと黙っていると、沖田さんはため息をついて…


「…言ってくれるまで、どかないから」


あたしを、押し倒した…。