天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

気味が、悪い…?


「ん?自分ではおとせないか?なら手伝ってやろう」


そう言って、男はあたしの額を擦りはじめた。


…おちる、はずがない。


だって生まれつきだから。


……気味が悪い、か…。


言われ慣れてたはずだった。


そんなこと、百も承知だった。


なのに…最近は幸せすぎたから。


その感覚が、鈍っていたんだ。


気味が悪いと思われるのが、普通なのに。


みんなが、優しくしてくれるから。


綺麗だって、言ってくれたから。


気味が悪いと…言われることがなかったから。


その真実を、改めて突きつけられたみたいで…


すごく、すごく………つらい。


「おちないじゃねぇか。まさか…お前……鬼の子か!?」


ああ、そうだ。


あたしは鬼だ。


分かってたよ。


だから、言わないでよ。


普通じゃないって、自分自身が一番よく分かってるよ。


だから…他人が、鬼だなんて言わないで。