天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

今すぐに山崎さんのとこに行きたい衝動に駆られた。


でも、一応客の前だからできない。


「さぁ。言うこと聞いてくれるんだよな?」


「…約束は約束どすね」


何をする気だ…?


用心していたのに、そんなのは呆気なく崩れた。


え…押し倒された…?


何すんだ、この変態!


そのまま首筋に顔を埋めてくる。


耳に息がかかって気持ち悪い。


…耳弱いのに、こんなやつに…!!


気持ち悪いんだよ!!


「やめてください」


「約束だろう?」


そう言って、あたしと目を合わせる。


その目が…大きく見開かれた。


「お前…その、額」


あっ!?


押し倒された勢いで…前髪が分かれてしまったらしい。


あたしの額を凝視している。


「…化粧か?」


「はい」


なんとか…誤魔化せるかな…?


そう思ったのに…。


「ならば早くおとせ。…気味が悪い」