天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

沖田さんの手が、帯に触れた。


それだけでビクッとなってしまう…。


恥ずかしい…。


「…未来に着物はないんですか?」


「あるよ。でも、特別なときにしか着ないし…持ってる人も少ない」


だから着たことないんだよ!


「そうですか。翼鬼なら似合いますよ、この着物」


「お世辞はいらない…」


似合うはずないもん、こんな女の子っぽいやつ…。


「お世辞なんかじゃありませんよ。もうちょっと自覚したらどうです?可愛いって」


「俺が可愛いわけない!沖田さん、目腐ってんの!?」


「腐ってるのはあなたの目でしょ」


「ひどっ!俺は正直な感想を言ったまでで…!」


あたしが可愛いなんてこと、有り得ないっ!


「…そんな無自覚だから、男に言い寄られそうで怖いんですよ、全く」


…なんか、沖田さんって…


「お兄ちゃんみたい、妹大好きな」


「お兄ちゃんじゃありません」


そのあと、何か呟いた気がしたけど…聞き取れなかった。


「はい、できましたよ」


「うわー、ありがとう。…沖田さん、男の人なのに女の着物、着せれるんだ」


「姉がいますから」


いや、見てできるもんじゃないでしょ、これ。


昔だからできて当たり前だったのか?


それとも、もしかして…


「恋仲がいたとか?」


内心ドキドキして、聞いてしまった。


「まさか!恋仲なんていませんよ、今までに一度も」


「嘘だぁ!絶対言い寄られる顔してる!」


「いませんでしたよ、好きな子すら。そういうのに疎いんでしょうかね。なにせ、土方さんが近くにいたもんですから」


そう言って子供っぽく笑う、沖田さん。


まあ確かに…土方さんがいれば、ねぇ?