天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

「はい、これ着てえな」


そう言って手渡させた着物…。


こんなのをあたしが着て…似合う、のか?


似合うはずないだろっ!


こんな可愛らしい、女らしい着物!


嫌だ…絶対笑われる。


「んじゃ、着替えたら隣来てな~」


「え、ちょっまっ…」


抗議の声をあげようとしたのに…もういない。


速すぎんだろ…。


あのさ、山崎さん。


あたし…女の着物着れないんだってば!


取りあえず、今着てる着物を脱いで…女の着物を羽織ってみた。


こっから…どうすればいいんだ?


てか重いよ、この着物!


うーん…まずはソの字にして…。


次は帯だよね?


…どうすれば…。


あぁ、こんなことになるんなら…お千代さんに聞いとけばよかった…。


あーでもない、こーでもないと一人試行錯誤して、しばらく経ったとき。


「翼鬼、着れました?」


沖田さん!?


「あまりにも遅いんで…大丈夫ですか?」


さすがに入っては来ないけど…キケンだよ、この状況!