天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

…麗さんが言った、


「愛してあげてください」


その言葉はまるで、親の言う言葉のように聞こえた。


自分は正体を明かすわけにはいかない。


だから他人に頼んでいるのだろうけど。


でも…もし、麗さんが二人の親だったら。


あんなに苦しまなくても…よかったのかな。


ふと、そんなことを思ってしまう。


…そんなことを言ってても仕方ないから。


俺は麗さんの言った通り、望んだ通り、二人を愛す。


…もう苦しまなくていいように。


もう我慢しなくていいように。


俺たちが守る。


それが、俺たちにできることだと思うから。


…ねぇ翼鬼。


俺、君を愛してあげるって、言ったよね?


あのときは仲間として、だった。


でも、今は…


仲間としてだけじゃなくて、君を愛したい。


絶対に、ひとりにしないって誓うよ。


愛するって誓うよ。


だから…もう、悪夢なんて見ないで…?