天使の翼を持った鬼~愛よ輝け~

そんなことを思いながら、翼鬼の布団に潜り込む。


「…ねぇ、怖い夢、みたの…」


翼鬼がいきなり、話しはじめた。


「どんな夢?全部言っていいんだよ」


「…もう一度、子供の頃からやり直してるの。あの…悪夢が…繰り返されて…」


小さく震えて、自分の手を握りしめて。


そうやってしゃべる翼鬼は幼く見えた。


「もう、そんな夢は見ない。俺が側にいるから」


「…うん。沖田さん、寝るとき一緒にいてくれるもんね」


翼鬼はそう言ってふわりと笑った。


…不意打ちきた…。


「…あとは?もうない?」


俺は我慢しながら、そう尋ねる。


「ん…。変な人が出てきた…。麗優鬼に憑いてて、いつも見てるから安心してって、言ってた」


それって…麗さん?


そっか、夢にまで出てきてたから…翼鬼は混乱したのか。


それなら納得がいく。


「…もう、ないよ。その人もいい人そうだったし…」


「そっか、よかった」


「……なんか、沖田さんの側って落ち着く…」


「へ?」


なんで、そんなこと…?


「なんとなく、安心できるんだ」


…安心できる、か。


嬉しいかも、けっこう。